言わなければ伝わらない

「〇〇ちゃん、親の気持ちなんかわからないでしょ?親の気持ち子知らずって言うからねえ。」子供の頃、父の友人が家に遊びにきた時に言われた言葉です。

私はその時、心の中で、『いやあ、子の心親知らずでしょ?』と反論してました。

確かに、親の心は直接言葉で確認したわけではないですが、子供の私は命懸けで親に忖度して生きていました。

だから、何も言われていないのに、痒い所に手が届く勢いで、親の心に沿うように振る舞っていたのです。

「全力で慮ってるよ!!」と叫びたいくらいでしたが、何も言えませんでした。

何もアウトプットしないと、解決には繋がらないと今になってわかりますが、ずっと、本音を周りの大人に言えたことはありませんでした。

 

 母からは、「親子なんだから分かり合えるでしょ」とよく言われました。

子供の頃は、親子ならそれぼど努力しなくても双方向に理解し合えるのかと思っていましたが、「私(母)の思う通りにしてくれるでしょ?」と言う意味だったのです。

いつまで経っても、私の心を探ろうとはしてくれませんでした。

 

 不本意だけど従っていると、相手は「あなたの性格でしょ?好きでしているんでしょ?」と勘違いしてしまいます。

いつもそうしていると、ずっと気持ちを曲げて関わっていかなければなりません。

しかも、黙っていると、相手の横暴さがエスカレートしていきます。

自分が、軽く見ていい人間、舐めていい人間認定されてしまうのです。

違和感がありながら、一緒にいるのが辛い関係を続けていっても、いつか自然に相手が変わってくれることはほぼありません。

悪気がないから、変える必要性も感じないのです。

 

傷つけてくる人には、「自分を傷つける〇〇することはやめて欲しい。」と伝えて、何回か伝えても変わらなかったら、関わらない選択をしていくしかありません。

それが親子であっても、夫婦であっても、自分を大切にしてくれない人と関わり続けるのは、人生を無駄にしているのだと言うことがよくわかりました。

 

 気持ちは言わなければ伝わりませんが、言っても伝わらなかった時は、縁がなかったものと考えて、分かり合える人を探しにいくしかありません。そう振り切れるようになって、ビクビク生きる必要がようやく無くなりました。