初めての幸福感

 知らず知らずのうちに、親の考えに沿うことや世間体を良くすることが自分の希望であるかのように思っていました。そうすることが自分のためになるのだと。

ずっと自分の気持ちを出さずにいることを嫌だと感じている、違和感を感じていることに鈍感になります。というよりも、鈍感に振る舞っているのかもしれません。我慢することが正しいことのように考えるようになります。

そうすると、自分の気持ちがわからなくなるから、何がしたいのかがわからなくなり、どう判断していいのかわからなくなります。

判断の基準が自分にないから、何をしても他人の評価が気になり、不安になります。

 

 どんなに自己肯定感を上げなくちゃと思っても、親の気にいるように、世間に評価されるように生きていること自体、自己肯定できていない(自己否定している)ことになるのです。自分の気持ちを掘り起こして、「あ〜親と連絡を取るのも会うのも嫌だな。」「見下してくる夫に関わるのは嫌だな。」と思っている自分に気づいて、相手と距離をとったり縁を切ったりしてみました。50年以上かけて、生まれて初めて本当に幸福だなと思うことができるようになりました。私の気持ちに正直に生きることが幸せなんだということがわかったのです。

今まで幸せだと感じていたことはなんだったのか。私はあの人より恵まれているから、何かを多く持っているから・・等、人と比べてマシなところをありがたく思わなくては・・という気持ちを幸せだと思っていたのです。

 

それでも幸福だと思うことに違和感を感じていてのは、誰かのせいではなく、自分の心と向き合って、自分の望む生き方をしてこなかったせいだったことがようやくわかりました。